©国立科学博物館
普段は小さく控えめな昆虫たちが、全長約2mもの巨大な姿になってお出迎え!「標本回廊」には、どんなに昆虫に詳しい方でも、初めて見る標本があるはずです!
「ホロタイプ標本」とは、その種の基準となる標本で、1つの種につき世界に1点しか存在しません。管理担当者が最後まで公開をためらった、とても貴重な標本です。
ヤンバルテナガコガネのホロタイプ標本
絶滅してしまったアリエノプテラ目という目(もく)が、奇跡的に琥珀の中に閉じ込められた状態で発見されました。人類よりはるか昔から存在した昆虫の姿を垣間見ることができます。この絶滅目は、日本初公開です。
とても天然のものとは思えない鮮やかな色のボディを持つ昆虫たちを一堂に集めると、それはまるで宝石店のショーウィンドウのよう。思わず手に取って身に付けたくなるほどです。一方、昆虫とは思えない奇抜な形をしたものも。昆虫の多様性を示す展示です。
左からプラチナコガネ、ホウセキゾウムシ、マツタケツノゼミ、ヨツコブツノゼミ、エラフホソアカクワガタ
閲覧注意!通称「Gの部屋」
多様性の究極!世界中から多種多様な○○○○だけを一堂に!
苦手な方、心臓が弱い方は、どうぞ迂回ルートをお通りください。
体長数mm以下の小さな体の昆虫たちを、特殊カメラで撮影。モニター上で拡大、360度回転させて、普段は見られない細部や裏側をのぞき見すると、敬意すら覚える驚きの体の構造が明らかになります。
上段:左からカブトムシ、コノハムシ、ヒゲブトオサムシの一種 下段:左からクヌギシギゾウムシ、ロクロクビオトシブミ
微小な昆虫の細部を知るためには技術の発達も不可欠です。ミンミンゼミは、樹の幹深くに卵を産むために、注射針のような産卵管があることが電子顕微鏡(SEM)写真でわかります。
左:ミンミンゼミの産卵管
右:カブトムシのマイクロCTスキャン画像(上)と再構成された3D画像(下)
協力:島津製作所
特別展「昆虫」企画チームは、九州大学の三田敏治助教の調査に同行し、インド洋マダガスカルで、セイボウ(青蜂)の未記載種(まだ発表されていない種。今後論文発表を経て、新種として認定される)の採集に成功しました。もちろん世界でここだけでしか見られない展示です。こちらのキャンペーンにもご参加ください!
発見されたハチ 青くメタリックに輝く体が特徴的
©丸山宗利
虫捕り網だけではなく、黄色い皿一枚や、ペットボトルとバナナでも、トラップを仕掛け昆虫を採ることができます。誰でも挑戦できる、正しい昆虫採集の方法から標本づくりまでご紹介!しっかり学んで昆虫を採りに行きましょう!
トラップや採集道具の数々
他にも、ここでしか見られない展示が盛りだくさん!
昆虫写真:©国立科学博物館/©丸山宗利/©小檜山賢二
特別展「昆虫」は一部を除きスマートフォンなどでの写真撮影OK!会場の様子をご紹介いたします。
下記画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。
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特別展「昆虫」は4人の昆虫博士が監修します。
それぞれの博士から来場者のみなさまへのメッセージをご紹介します。
野村周平 (国立科学博物館)
Message
昆虫は人類よりもはるかに長い歴史をもつ生き物で、海洋を除く地球上のあらゆる環境に適応し、現在も繁栄しています。
昆虫の多様性は驚くほど豊かで、時に人の想像をはるかに超えています。一方で私たちは、身近な自然の中でも、昆虫にたやすくふれ、そこから多くのことを学び取ることができます。
私たちはこの展示が、ご来場者の皆様が実際に昆虫にふれ、何かを学ぶきっかけになってほしいと願っています。
さあ!昆虫の観察に出かけましょう!
Profile:野村周平(のむらしゅうへい)
所属:動物研究部 陸生無脊椎動物研究グループ 
学位:博士(農学)
研究分野:昆虫学 分類学 生物多様性 コウチュウ目 ハネカクシ科
研究内容:アジア、オセアニア産ハネカクシ上科甲虫の系統分類学的研究
     土壌性甲虫類の多様性と群集構造に関する研究
     甲虫標本における自然史学的情報システムの構築とデータベース化に関する研究
神保宇嗣 (国立科学博物館)
Message
昆虫は、深い森の中から家の周りまでどこにでもいる生き物ですが、日常生活の中で昆虫をまじまじと見る機会はなかなか無いと思います。
特別展「昆虫」では、知っているようで知らないことが多い、昆虫とその研究の世界を色々な角度から紹介します。
会場でとびっきりの昆虫の面白さを感じ取ったら、野外で生きている昆虫をじっくり見てください。新しい発見や驚きがみなさんを待っています。
Profile:神保宇嗣(じんぼうつぎ)
所属:動物研究部 陸生無脊椎動物研究グループ
学位:博士(理学)
研究分野:昆虫の系統、分類、生物多様性、生物多様性情報学、データベース
研究内容:チョウやガの仲間、特にハマキガ科の分類学的な研究
生物多様性に関わるデータベースの構築と、実践的な生物多様性情報学的研究
井手竜也 (国立科学博物館)
Message
自然界で類を見ないほど繁栄した昆虫を知ることは、自然科学の世界への最も身近な入口の一つだと思います。
特別展「昆虫」には、自然科学における昆虫の面白さが凝縮されています。きっと会場に来る前と後では、身近な公園さえも違った世界に見えてくるはずです。
会場を出てからが本番です。
この夏を通して、特別展「昆虫」をお楽しみください。
Profile:井手竜也(いでたつや)
所属:動物研究部 陸生無脊椎動物研究グループ 
学位:博士(理学)
研究分野:昆虫学(分類、系統、生態)
研究内容:タマバチ科(ハチ目)の分類および生態に関する研究
DNAバーコーディング手法を活用した生物同定に関する研究
丸山宗利 (九州大学総合研究博物館)
Message
昆虫を苦手な人は多いと思います。子供のころには好きだったのに、大人になっ
たら苦手になってしまった人もいると思います。
昆虫はとても多様で、面白く、よく見たら実に美しい生き物です。特別展「昆虫」
は、そんな昆虫の魅力をいろいろな切り口で紹介しています。
昆虫好きはもちろん、昆虫が苦手な人、嫌いな人、興味がない人にもぜひ見てい
ただきたいと思います。この夏、昆虫を見る目が変わるかもしれません。
Profile:丸山宗利(まるやまむねとし)
所属:一次資料分析系 准教授
学位:博士(農学)
研究分野:昆虫学
研究内容:アリと共生する昆虫とツノゼミの分類と系統進化